ほら、やっぱりすごい。間違いない。何時間、ここに居ただろう。
太陽が今日の役目を果たし終えるまで、しっかりと見届けた。
コトバも出なかった。何を想っているのかも分からない。
ただただ自然の色に圧倒されるだけ。本当にすごかったな。
 ・・・とここまでは順調でした(苦笑)。

我々は、おじさんが見つけてくれたポイントで寝ることに。
おじさんはもちろん、テントを持っています。
我々はその横でこっそり寝ることにしました。
リュックを枕に、爆睡が自慢の我々なら
朝、太陽の光が射すまでぐっすりだろう・・・
そう思っていました。

しかし。
甘ああああああい!その考え!ということをこれから思い知らされる。
夏とは言え、ここは浜辺。風を避けられると言っても、完璧ではありません。
ヨーロッパの夏を舐め切っていた我々にきっつーい自然からの贈り物。

すっげええええええ寒い(泣)。
最初の2時間くらいはへっちゃらでした。楽勝でした。
しかし。
時間が経つにつれて、身体の芯からどんどん冷えていくのが分かります。
やっちゃった、自ら遭難。

夜、海辺で飲もう!と言っていたワインを飲んで身体を温めるも足りない。
あるだけの服を身体にまとっても足りない。
ちょっと、真剣にやばい。と思った時、ふっと思い出す。
『そうだ!遭難したら寝ちゃいけないんだ!』
今日はもう寝ない!そう思ったらなんだか寒くなくなってきました。
これ、いけそうだ。それに隣でブルブル震えていたマキくんも気付いた様子。
『かっつん、アップするよ!』と突然起き出し、ダッシュ。
おお!相棒、さすがだ!思いつく限りのアップをする。
するとテンションも上がってくる。これで朝までいけるぞ!

朝3時。リゾート地のCollioureの海辺。そこでアップをする日本人。
すみません。皆さん・・・。でも誰も見てなかったから許してください・・・。
しかし、いい経験した。
自然の力を命がけで感じることができたんだから(苦笑)。


21時。ヨーロッパの夜は長い。
 
そんな努力が報われる時が来ます。3時に息を吹き返してから2時間半後。
朝だ。こんなに太陽を待ちわびたのは初めてだ!
しかもこんなにすっごい朝焼け。神様ありがとう!
今までにも朝焼けを見たことはもちろんあるけど、
なんというか、スケールが違う。
しかも待ちに待った太陽の出現(苦笑)。喜びも一入だ。
いい旅だったな・・・・そう思いそうになったけど、
いやいや、まだ2日目だから。
これからだから。まだ、ここフランスだから(苦笑)。
これから、アフリカ大陸目指してもっともっと南に行くんだから!

朝焼けを拝んで、海を離れた。おじさんにお礼を言って駅に向かう。
しかし。・・・腹減ったぁ(苦笑)。
今度はお腹減ったわけです。もう、グダグダです(苦笑)。
でも、朝6時。リゾート地なので、パン屋もリゾート時間。
開いていない。仕方ない。こんな時は駅のお菓子自動販売機。
コーヒーも買って少しパワーをつけよう!と意気揚々に駅に着くと・・・。
駅もリゾート時間、開いてない・・・。
いや、有り得ないから!始発の電車動いてるから(苦笑)。
がっかりするのも飽きてしまいました。
エネルギーもない、切符もない。
でも、電車に飛び乗りたい!とにかく身体温めないと。
太陽が出てきたとはいえ、まだ身体の遭難は終わってない!

するとマキくん、電車の到着の音を聞くなり、
『あれ、乗ろう。』と言う。
『うん。乗ろう。』とカツも言う。
駅の横をスルリとすり抜け電車に飛び乗る。
切符買ってないけど、タダ乗りしてるけど、我々の責任じゃない!
リゾートしてる駅のせい。(フランス人風。)

初日からグダグダだったけど、いい出会いもあったし、
自然の美しさと恐ろしさを知ったし、うん。いい感じ。(ほんと?)
次、目指すはスペイン最初の駅、Portbouだ!


朝の5時30分。
ありがたすぎた。
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